君に慣れにし・・・(四)
博雅の躯に未だ引っ掛かっている夜着の紐をする・・と解き、その前を開き、初々しい躯を露わにする。
「あ・・・」
博雅が恥らう様に身を捩る。
身の回りの世話をする女房以外には晒した事のない、まして、宮の手に浅ましく乱れる己の姿を見られる事が恥ずかしかった。
「その様に恥らう事はない、博雅。そんな様も可愛らしいがな。大丈夫だ、これから共に悦くなろうというのだから・・・」
言い様、宮は顔をその震える肢体に寄せ、首筋に舌を這わす。
「あ・・・」
博雅が吐息を漏らす。
そのまま宮の唇は順に肩口から胸を辿り、その中心の愛らしい蕾を音を立てて吸った。
「あん、」
ひく、とその躯が震える。
それに気を良くした様に更に宮の唇は片方の乳首をしきりに吸ったり、その舌で嘗め回したりと愛撫を施し、片方の指でもう片方の乳首をくりくりと摘んでみたりする。
「あ、あ・・・み、やさま・・・」
博雅が切なげに眉を寄せ、頭を打ち振る。
その度に解かれた艶やかな黒髪がしなやかに揺れる。
その、可憐でありながら艶やかな様は、花を散らす様にも似ていて、宮はうっそりと微笑む。
胸に這わせていた唇を次第に下に降ろし、波打つ肌に舌を這わせながら、やがて下肢の中心に辿り着いた。
其処は先程までの愛撫に因って緩やかに勃ち上がり、震えながら蜜を噴き零していた。
それを宮は徐に口に含む。
「あ、ああ・・・」
宮の熱い口内に含まれ、舌を這わされて博雅の腰が悦びに震える。
こんな、己の手でも触れた事の無い処を銜えられ、博雅の羞恥は増すばかりだったが、恥らう程に躯の熱は上がり、感覚もいよいよ冴え、高まる悦楽にただ、身悶える。
「みや、さま・・・も、う、お止め下さい・・・」
瞳にうっすらと水の膜を湛えながら懇願するも、その躯は艶かしく上気し、宮の齎す口技に切なげに腰をくねらせたりする。
その可憐でありながら艶かしい様に宮はいよいよ昂ぶり、執拗に口淫を繰り返す。
博雅のものに手を添え、裏筋に舌先をつつ・・、と這わせ、双珠を手で転がす。
「ああっ!あ、あ・・・」
「・・・もう止まらぬよ、博雅。私はそなたを悦くしてやりたいのだ。そなたという花を愛でてみたい。そなたが愛しい・・・」
宮の瞳はひた、と博雅を見据えていた。
いつもは穏やかで優しく博雅を見詰めるその瞳が、思いがけず真摯で、熾火の様にゆらゆらと熱を宿して揺れている。
「宮さ、ま・・・」
「そなたを我がものにしたい。そなたが泣いて拒んでも・・・もう、止まらぬ。」
言いざま、再び博雅のものに唇を寄せ、それを強く吸い上げた。
「あ!あっ、ああーーっっ・・・」
その刺激に」堪え切れず、博雅が背を撓らせて達する。
汗に塗れ、胸を上下させて息を荒く吐く博雅の肌に宮が舌を這わせる。
「あ・・・」
びく、と博雅が身動ぐ。
躯が熱い。
何か、もっと、この躯に何かが欲しい・・・
「宮さま・・・」
博雅がゆっくり手を伸ばす。それに応える様に宮がその躯を抱き締めた。
博雅の腕が宮の首に絡み付き、その耳元に甘く囁く。
「私を・・宮様のものにして下さりませ。宮様ならば私は構いませぬ・・・博雅も、宮様が欲しゅうござります・・・」
「博雅・・・」
瞳を潤ませて切なげに宮を見上げる博雅に、堪らない愛しさを感じ、宮はその切なく囁く唇に口付ける。
ひとしきり柔らかな唇を堪能して、徐徐に唇を下に滑らせ、遂に下肢に辿り着いた。
投げ出されていた脚を抱え、その秘めた箇所を露わにする。
「あ・・・」
博雅が微かに身を捩った。
「怯える事はない・・此処で我らが繋がるのだよ、博雅。」
宮の細く長い指がつ・・、と秘めた菊門をなぞると、びく、とその躯が震えた。
と、不意に宮が身を起こして立ち上がり、部屋の隅にある厨子から何かを取り出した。
蛤の殻に入れられた、膏薬の様なものだった。
それを宮は指に取り、博雅の秘所にそ、と塗り始める。
「ひ、」
びく、とその冷たい感触に身が竦む。
宮は構わずたっぷりとそれを指に取り、ねちゃねちゃと秘所に塗りたくり、時折、揉み解して指を内に突き入れてみる。
「あうっ、」
びく、と博雅の躯が竦む。初めての、あらぬ処への異物感。
こんな処に何かを入れるなど、思いも寄らなかった。
宮は怯える博雅を宥める様に、前に手を伸ばし、その震える中心を握り込み、ゆるく扱く。
「あ、あ・・・」
痛みを束の間忘れ、その躯が悦にのたうつ。
宮は前への愛撫を施しながら、後口へ指をゆっくりと出し入れを繰り返し、それが綻び始めると、更に指を増やした。
瞬間、その躯が竦んだが、緩く抽挿を繰り返すと、やがて指を咥えた箇所は更に綻び、入り口も柔らかく解れていく。
指を内側で蠢かし、何かを探る様に内壁を擦っていく。
やがて、内にある、ぷくりとした膨らみに突き当たり、其処を撫で擦ってみた。
「あうっ、」
途端、博雅の背が撓る。今迄博雅が感じた事もない、電流が奔る様な衝撃。
紛れも無い快感だった。
漸く悦楽点を探り当てた宮は、そのまま執拗に其処を責める。
そうすると、博雅の躯は面白いほどに反応し、腰をくねらせ、高く甘い聲をしきりに漏らす。
「あ、ああ・・・はあ・・・」
眉をきゅ、と寄せ、僅かに開かれた瞳を潤ませ、聲を漏らす開かれた唇から紅い舌がちらちら覗く、その淫らな博雅の表情を見遣ると、宮も最早堪らなくなってきた。
夜着の下の己の中心が熱く張り詰め、痛い程に脈打つ。
早くこの躯に己の昂ぶるものを打ち込みたい。
この愛しい養い子とひとつに繋がりたい・・・
「博雅・・・」
些か情欲に掠れた聲で博雅に呼び掛ける。
半ば、あまりの悦楽に気を飛ばし掛けている博雅が、それでもその呼び掛けに応えて瞳を宮に向けると、宮がじっと自分を見据えていた。
些か息なども荒い。
「最早抑えが利かぬ。今から、そなたを真の意味で私ののもにする。そなたと私が繋がるのだ。よいな・・・?」
博雅が、半ば夢うつつの様な、うっとりとした瞳を宮に向ける。
「宮様のなされる事になら、どのような事でも博雅は従います。宮様をお慕い申し上げております・・・」
健気に応える博雅が堪らなく愛しい。
早くこの存在を、余す処なく己のものにしたい。
宮は、散々弄った秘所からずるり、と指を引き抜き、夜着の前を開く。
下帯も解き、己の猛った陰茎を露わにした。
その、先走りの蜜を溢れさせる先端を、その蕾に宛がう。
「あ・・・」
一瞬、博雅の躯が強張った。宮は更にその脚を開き、抱え己の膝にその腰を乗せ、一息にそれを突き入れた。
「ああああっっ」
博雅の背が思い切り撓る。
指と膏薬で解したとはいえ、未だ幼い、交わる事すら初めての博雅の躯にはやはり衝撃の方が大きいのだろう。
痛みに竦む博雅の躯を気遣い、そのまま腰を進めず、宥める様にその肌に指を這わす。
胸元を這い回り、その色付く蕾に触れ、きゅ、と摘むと密やかな甘い聲が博雅の唇から微かに漏れる。
そのまま片手で突起をくりくりと捏ね回し、もう片方の手は下肢の中心に絡みつき、萎えてしまったそれをゆっくり扱き、奥の袋をも揉みしだく。
胸と下肢に与えられる愛撫に徐徐に博雅の躯は蕩け、弛緩して、宮のものを受け入れている箇所も次第に綻び、ひくひくと蠢きだす。
それを見計らい、宮はゆっくり抽挿を繰り返す。
ゆっくりと、深く、先程指で探り当てた悦楽点を殊更突く様に、時折角度を変えて突き入れる。
「あっ、は、ああ・・・」
次第に博雅の聲が甘さを伴ってきた。
その表情と躯から強張りが解け、宮のものを含んだ箇所も、柔らかく、それに絡み付く様な動きを見せる。
眉もきゅ、と切なげに寄せられ、絶えず喘ぎを漏らす唇からはちらちらと紅い舌が見え隠れする。
「博雅、悦いか・・・」
「あ、あん・・あ、あ・・・」
応える代わりに博雅の聲は更に高さと甘さを増し、穿たれた腰がくねり出す。
宮はそれに気を良くし、更に動きを早く、激しくさせる。
「ああ、博雅・・・ひろまさ・・私のものだ・・・全て、私だけの・・・」
「ああ、あ、み、やさま・・・あっ・・!ああ、」
何時しか、博雅の脚が宮の腰に絡みつき、激しい動きに合わせる様に腰を揺らめかせていた。
その腕も宮の首に縋りつく様に回されている。
何かにしがみ付いていないと、心身共に何処かに持って行かれそうだった。
宮の手が博雅の前に廻され、そこで震えるものを扱く。
「ああっっ」
更に博雅の背が仰け反る。
前と後ろからの悦楽に、博雅は気が狂わんばかりに喘ぎ、悶えた。
「やあっ・・ああ、ああっ・・・も、う、だ・・めえ・・っっ」
博雅がきつく閉じられた瞳から涙を零し、頭を必死に打ち振る。
宮は、ただ激しく博雅を突き上げ、その陰茎にひたすら悦を与え続ける。
やがて、息が次第に切羽詰ってきていた。
「博雅・・・」
突然、宮が手の中のものの先端をぐり、と爪でくじった。
「ひあ!あ、ああああーーっ・・・」
その刺激に、既に達する寸前だった博雅のものに一気に熱が集まり、それは奔流となって陰茎の鈴口から勢い良く熱い精を吐き出した。
それに併せる様に宮の陰茎を含んだ後口もぎゅる・・・と窄まる。
そのきつい締め付けに堪え切れず、宮も低く呻いて博雅の内に熱い精を余す処なく叩き付けた。
二人、共に吐精の衝撃から暫く荒く息を吐いて、躯の痙攣が治まるのを待つ。
やがて、互いに息が静かになってくると、宮は博雅の躯を優しく抱き締め、その額に口付けた。
「博雅・・天にも昇る心地であったぞ・・・」
「宮様・・・」
その言葉に頬を染めながらも宮の背に手を廻し、甘える様に寄り添う。
「博雅は・・嬉しゅうござります。お慕い申し上げている宮様に、こうして抱いて頂けたのですから・・・」
「博雅・・・」
はにかんだ様に自分を見上げて微笑む博雅が愛しくて、宮はその柔らかな唇に優しく口付けた。
「博雅、もうそなたは我がものぞ。最早、そなたを抱かずにはいられぬ。どの様な女より、そなたが愛しい」
博雅の瞳から、大粒の涙がぽろ、と零れ落ちる。
「宮様・・・嬉しゅうござります。博雅も、宮様がおられぬのは堪えられませぬ・・・」
抱きついてくる博雅の顔に手を添え、その涙を唇で吸い取り、宮は再び博雅に口付けた。
それから、博雅は夢に悩まされる事は無くなった。
見るのは、宮との密やかな秘め事。
夢でも現でも、博雅はただ、それに酔いしれる・・・
了
扉