万聖節 続



「ん・・・あ、ん・・・」

陽も落ち掛けた、黄昏刻の林の中、淫靡な声が漏れる。
花道は下半身を剥き出しにされ、その双丘の狭間に流川の舌を受け入れていた。
流川が執拗に双丘の奥の蕾に舌を這わせ、時折長く細い指をつぷりと突き立てて掻き回してやると目の前の腰が揺れ、一際甘い聲が上がる。
それに伴って尻の付け根の細長い尻尾もぴくぴく震える。

「イイか、どあほう・・・」
「や、あん・・もう、ヤ、ダ・・・」

啜り泣くような、ひどく甘ったるい聲が花道のふっくらとした唇から漏れる。
その聲に呼応するかのように花道の頭の黒い三角の耳もへにゃん、と垂れ、時折ぴくぴく震える。
そんな花道の何もかもが愛らしい姿にいよいよ流川は興奮する。

「どあほう・・オレの方がもう我慢できねえ・・・」

花道の耳に唇を寄せて低く囁くと、それさえも刺激になるのか、黒い耳がぴるぴると震えた。
その耳に甘噛みするように歯を立て、自分の前を寛げると、既に準備万端、といった体の分身が姿を現す。
それを花道の双丘の奥の蕾に宛がい、擦り付ける。

「あ、や・・・」

それが何なのかを察して花道の躯がびく、と震える。

「もうイイだろ?オメーも我慢できねえんだろ・・・」

数度花道の尻に、先走りで濡れる自身の先端を擦り付けた後、そのまま奥まった蕾に潜り込ませた。

「ああっ!あ、・・・」

花道が短く叫び声を上げる。流石にこの瞬間はいつでも体に衝撃が伴う。

「っ・・どあほう、少し緩めろ・・動けねえだろうが・・・」
「んなコト言ったって・・すぐにはムリだって・・・てめえこそ、いきなり突っ込みやがってっ・・・!」
「オメーだって我慢出来なかったんだろうが・・・」
「だっ誰が!!」
「・・ルセーな・・・」

流川の手が花道の躯に廻され、下肢の中心のものに触れる。
それは既に先走りの蜜を滴らせ、びくびくと震えながらそそり立っていた。
愛らしいそれに指を絡ませ、ゆっくりと扱きあげる。

「あ、ああ・・・」

流川の指が動く度、花道の腰も揺れ、唇は開かれたまま、感じ入った聲をしきりに漏らす。
流川を銜え込んでいる後ろの蕾も次第に力が緩まり、却って流川のものに絡みつく動きすら見せ始めた。
その時、流川が花道の腰を掴んで強く腰を打ち付ける。

「ああっっ!!」

思わぬ衝撃に花道の背が反らされるが、漏れた聲は甘さを含んでいる。
それを見て取った流川は次第に腰の動きを激しいものにしていき、時折、ぐるりと腰を回してみたりする。

「んあっ!あ、ああ、ル、カワァっっ・・・!!」

最早花道に感じ取れるのは流川の齎す肉の愉悦のみ。
滴る汗、持て余す程に熱を帯びた躯、互いの肌が打ち合う音、その度に下肢の奥から淫靡に響く粘質の水音。
そして自分の体に廻された大きくてどこか優しい手。
甘い睦言の様に何度も繰り返される自分の名・・・

幸せを感じながら、自分を抱く主と共に花道は更に絶頂を目指して体を悦楽に委ねていった・・・



「たく、信じらんねーよな・・あんなトコでいきなりサカリやがって・・・」

花道は流川の腕の中でぶつぶつ呟いている。
二人は自分達の城に向かって夜空を飛んで帰ろうとしていた。
花道は変化は出来ても飛べないので、翼を持つ流川に抱えられていくしかない。

「どあほう。オメーだって燃えてた」
「んなっ!て、てめえ、言うにコト欠いてナンテコトを・・・」
「事実だ。」

しれっと流川は言い放つ。
花道も多少は心当たりがあったりもするので、赤くなって黙り込んでしまう。

「今夜はまだこんなモンじゃ終わんねーぞ。城に戻ってテメーの手料理を食ったらまたテメー自身を堪能する。」
「ななな・・・!!!」

もう花道は顔中真っ赤に染めて流川を凝視するのみである。
最早二の句も告げないらしい。
流川が一旦本気になると何日も寝室はおろかベッドからすらも出られない、なんてのは実はしょっちゅうだった。

二人だけの特別な万聖節はまだまだ終わりを見せない・・・


end